大樹町産ウイスキー

2025年2月19日 大樹町にある浜大樹にてウイスキー蒸留所建設の説明記者会見が行われ
サンエイ牧場では原材料の提供をしているため鈴木代表も参加してまいりました。

 

 

さて、最近少しずつ話題になってきている大樹産ウイスキーについて。

 

今回浜大樹での新規蒸留所の母体はロケット開発会社インターステラテクノロジズでも有名な実業家の堀江さん、
マスターオブウイスキー(ウイスキーコニサー最難関を合格した全国に17名しかいないウイスキーのプロ)の最年少取得記録を持つ静谷さんなどが取締役を務め地場産品のブランディングなどで地域創生を目指す会社です。

 


※左から静谷さん 堀江さん

 

新規蒸留所 Taiki Cosmic Glen Distillery (タイキ コズミック グレン ディスティラリー)のコンセプトは

自然豊かな大樹町のローカル原料で作る 本当の意味でのジャパニーズウイスキー

 

よく日本国内で製造されているジャパニーズウイスキーは 《ジャパニーズ=日本の》 とはいっても
その原料の多くが海外からの輸入に頼り、製造が日本国内ということが多いのですが
今回大樹町で始まったウイスキー作りでは、大樹町産原料を大樹町内蒸留所で大樹町の自然風土で作り上げていく

その名の通りの 大樹のウイスキー

まるっと大樹にこだわってウイスキーを作り上げていくというものです。

 

大樹町は酪農の町ということもあり、牛の飼料用デントコーンも栽培が盛んです。

酪農家である私たちからすると、「え?!牛の餌だよ?あのそこら辺にあるデントコーン?」となるのが当たり前ではないでしょうか?笑
酪農の町に暮らし、牛飼いをしている私たちには身近すぎてあのデントコーンがウィスキーというお酒に…
なんだか不思議な話。

そんな親しみのあるデントコーンを主原料に
日本一の清流にも選ばれたことのあるきれいな歴舟川の水と
大樹の地面に埋まっているピートを使い、コーンウイスキーを作るというのです。

将来的には原材料だけではなく熟成工程で使用する樽も、大樹町産ミズナラなどの木材で樽を作り
モルトや酵母菌などもすべてを大樹産で作り上げていく予定だそうで
ロットによってオール正真正銘のジャパニーズウイスキーならぬタイキウイスキーができるそう,゚.:。+゚

 

そもそもすべての材料が町内で賄えてしまうというのにも驚きですが、
(だって地域どころかオール国内産原材料だけでもなかなか難しい事なのでは?)

北海道の田舎町でなぜ蒸留所を??と思う方も多いかと思います。

話を伺ったところ、どうやら北海道十勝にある大樹町
しかも大樹町内でも浜大樹地区は市街地からも約15キロほど離れた小さな港地区ですが
その環境がウイスキーの聖地、スコットランドのアイラ島にそっくりなんだそう。

この自然がウイスキーには好条件で理想的らしく、浜大樹が建設予定地になったそうです。

建設予定地の建物は田舎にはよくある、二階建ての車庫兼倉庫
今回記者会見場にもなった場所です。

 

どうやらもとは漁師さんの道具を保管する倉庫だったらしいのですが、
今後そこで機材などを準備し、年内には蒸留所を開始

3年後には1号ウイスキーが完成する予定だそうです。

なんだか話だけでもロマンがあるなぁ~っと思いますが

現状サンエイ牧場としては、あくまで自分たちのできる範囲で
酪農家として日々育てているデントコーンの一部を提供し、自分たちが暮らすこの大好きな大樹町が少しでも盛り上がってくれればという思いで地域活性化の一部を担っていきたいと思っています。

大樹町は海もあり山もあり、
酪農が最も盛んではありますが畑作や漁業もあり
食べ物も美味しいし、星はきれいだし温泉だってあるんですよ~~

今では有名な釧路湿原よりタンチョウ鶴も大量に飛来し
町内のはずれを普通に車で走るだけで
キタキツネや鹿、タンチョウに出会えるの天然サファリパークです。(笑)

そんな都会の方からみると驚きや感動がある魅力的に感じる田舎の良さも
人口が少なく、環境に慣れてしまっているとなかなかその良さを改めて感じて認めて発信してが難しくなってしまいますが

客観的に良さを見つけブランディングし地域を盛り上げて
いろんな方の色んな視点やアイディアで広がっていく世界があるのは
この少子高齢化の日本、ましてや地方においてはとても有難く希望を感じれることに
大樹で生まれ育ち町民として住んでいる人間としてはうれしく思います。

色んな可能性や選択の余地があるということに
まずはときめきを感じていきたいとも思うのです。

今後宇宙関連もですが、高齢化が進む住民からすると
そんな先の将来、未来なんてっと漠然としすぎて日々新しい取り組みを自分ごとに感じるのが難しく感じてしまうこともあるかもしれません。

実際ここ数年は酪農家としては物価の高騰、円安の影響で輸入飼料の高騰、少子高齢化により後継ぎ問題
乳量制限や初生牛の価格低迷などなど厳しい時期が多く離農が進み
自分たちの普通の生活が脅かされる状況が長らく続いていました。

身近な問題が多すぎて先のことを考える余裕を持つのが現実的に難しかったのです。
でも、だからこそこの自然に基づくもっと町民にとって身近な乳製品(チーズ、アイス)食肉、海鮮等々を絡め
大樹町の良さを他の地域へ広がっていってくれればなぁ~っと。

自分たちの余裕や幸せがないと他者や将来に目を向けるなんてわかっていてもなかなか出来ることではないですもん。
なんか偉そうな雰囲気を醸し出していますが私たちも同じです。本当…

そんな身近に感じれる事柄も発展できる可能性を感じていきたいですね。